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    昨日の敵は今日の友(3)
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       ボインド!

      早く急降下・急上昇して燃料タンクの白煙を消せ!


      スミスは叫んだ。

      元来アメリカの飛行機は頑丈だ。
      多少の被弾には耐えられるし白煙も上手くいけば風圧で消すことが出来る。

      スミス!

      操縦桿が上手く動かん!

      何〜!

      どうやらジャップの奴、操縦桿の舵を破壊したようだ。

      スミスは興奮気味に叫んだ。

      おい!
      俺達、このまま墜落か?
      まだ死にたくないぜ。

      幸いにも煙はまだ白煙・・・
      火は噴いてない。

      ボインドは遙か先に島があるのを発見した。
      位置的に多分、日本軍はいないと思える無人島?のようだ。

      ボインドは

      このまま母艦まではたどり着けない。
      あの島に緊急避難するぞ。

      思うように動かない操縦桿を必死に操縦しつつ島の方向に向かった。

      スミスも頭に手をやり、なんてこった・・・と嘆いた。
      敵艦爆にちょっかい出さなければ今頃母艦に着陸。
      冷たく美味しいビールを飲んでいただろうに。
      しかしあのジャップ!
      何者だ?
      艦爆にもかかわらず切れ味鋭い宙返りで反撃。
      まるで戦闘機そのものの動きだった。

      俺はえらい奴に喧嘩を売っちまった・・・
      スミスはため息をついた。

      ボインドは必死に操縦桿を操作し飛行機を島の方向に向けて飛んでいる。
      白煙も幸いなことに風圧で消えたようだ。

      ボインド!
      さっきのジャップは撃墜したのか?

      わからん!
      敵機のエンジンに集中的に命中したのは確実だからまず間違いなく1機撃墜だ。
      しかし俺達も瀕死の重傷だ。
      お前が「やっちまおうぜ!」なんて喧嘩を売るから冷たいビールもお預けだ。
      それより操縦に必死なんだから声をかけるな!
      気が散る!


      ボインドはご機嫌斜めだった。

      なんとか操縦していくうちに島の全容が見えてきた。
      しかし飛行機が更に言うことを効かなくなってきた。
      ゆっくり滑走路らしき空間を探す余裕が無くなってきた。
      高度もどんどん降下していく。

      スミス!
      このままじゃ俺達、島に着陸する前に海に墜落・・・
      サメの餌食だ。
      海岸砂浜付近に不時着するぞ。

      ジャップが占領してないよな。


      スミスは不安げにつぶやいた。
      しかしサメの餌食になるよりましだ。

      だんだん海岸線に近づいた。
      飛行機から見る限り、建物らしきものも見えないし人影もない。

      ボインド!
      上手く不時着しろよ。

      ・・・・・

      ボインドは返事をする余裕もなく必死に飛行機の向きを調整していた。
      上手く不時着しなければ着陸ではなく激突!即死だ。
      しかし操縦桿が思うように動いてくれない。

      くそ〜!

      大声を出しながらもかろうじて不時着態勢に入った。

      スミス!
      不時着するぞ!
      しっかり掴まれ!!

      スミスは身構えた。

      飛行機は海岸線砂浜付近にザザザザザァ〜と横滑りしながら緊急着陸。
      しかし勢いが止まらない。
      そのまま目の前に大きな木が見えた。

      ヘイ!
      ボインド!!

      ぶつかるぞ〜

      スミスは絶叫した・・・

      二人が乗る飛行機は大木にそのまんま真横に激突!
      大音響とともに飛行機は大破。
      二人は意識を失った。

      どのくらいの時間が経過しただろうか。
      いやほんの僅かかもしれない。
      スミスが意識を取り戻した。
      幸いにも肩の打撲くらいで済んだ。
      一番幸運なのは火が出なかったことだ。
      もし炎上したら間違いなく二人とも焼死だ。

      ボインドの事が気になった。
      スミスは後席から出て翼越しに声をかけた。

      ボインド!
      大丈夫か?

      返事はない。

      ボインド!!

      よく見ると頭から出血している。
      不時着の衝撃で頭を強打したようだ。

      おい!
      ボインド!!!

      スミスは途方に暮れた。
      こんな無人島でどうする!
      飛行機にある携帯医薬品も包帯と消毒薬程度だ。

      途方に暮れている時、木々の方向から射撃音。

      パンパン・・・

      飛行機に命中!

      な〜に!?





      中島は後ろ髪引かれる思いで懸命に力泳した。
      今にも足元にサメの鋭い牙が襲ってくるのでは?という恐怖心も相まって・・・
      必死に泳ぎながらも阿部隊長の最後も思うと涙が止まらない。
      アメ公め!!!
      あやつらのせいで空中戦になり挙げ句の果て、隊長は海の藻屑。
      それも悲惨な最期!
      力泳しながら許さん!を何度もつぶやいた。
      どれだけの時間を泳いだだろうか。
      いまだサメの恐怖が消えない。
      水面から見える島影はまだ遠い。
      必死に泳いだせいか疲労感が極限に達してきた。
      もうどうにでもなれ!とやけっぱちになり仰向けになりプカプカ浮かんだ。
      南国の真っ青な空。
      透き通るようなきれいな空。
      まるで戦争中とは思えない静かさ。
      聞こえるのは海の声だけ。
      力泳からの疲労感でしばらく目を閉じた。
      このまま俺も隊長の後を追うか?
      そんなことまで考えてしまった。
      反面・・・
      いや、隊長含め一緒に昼夜問わず厳しい訓練に耐え隊長の心意気で酒保を開放
      してもらい仲間達と心行くまで痛飲!
      みんな日本の勝利を願ってこの作戦のためだけに訓練に耐えた。
      それが僅か1〜2時間の間に35名の命が失われた。
      戦争って一体何だ?
      人間はなんて愚かな生き物だ。
      俺がこのまま海の藻屑になったら誰がこの悲惨な結末を後世に伝えるんだ?
      俺一人の命じゃない!
      みんなの命35人分の命も背負っているんだ。
      頑張って生き延びるんだ!
      みんなの死を無駄にするわけにいかない。
      そう考えていたら力が湧いてきた。
      仰向けになりながら腕を下にダラ〜ンと下げながら浮いていたのだが何かが腕に当たった。
      ビクッ!とし全身の血が下がる思いだった。
      どうやら小魚の群れが腕に当たったようだ。
      しかし此処の海域は人食い鮫の巣。
      いつまた襲ってくるかわからない。
      さっきまでどうにでもなれ!と半分自棄気味だったがみんなの命の分まで責任を
      負っていると思ったら不思議と力が出てきた。

      畜生〜!
      島まで休まず力泳するぞ〜〜
      命ある限り泳ぎ抜くぞ!

      中島は再び島に向けて力泳をした。

      どれだけの時間泳いだだろうか。
      後頭部に南国の太陽の日差しが痛いほど降り注ぎ尚かつ、いつ地獄の使者が今にも
      足をガブリ!と来るのでは?という恐怖心。
      みんなの命を背負いながら無我夢中で島に向かった。
      太陽の位置もだいぶ斜光になった。
      島もあと僅かだ。
      もう一踏ん張り!
      フラフラになりながらも、なんとか島の海岸に到着。
      砂浜の足を踏みつけて、そのあと崩れるように倒れ込んだ。
      どのくらいの時間、意識を失っていたのか?
      目が覚めたら太陽が東の方にある。
      ん?
      確か海岸に着いたのが夕方近く・・・
      そのまま翌朝まで気を失っていたようだ。

      この島は・・・
      無人島か?

      中島は立ち上がり歩き出した。
      歩きながらも昨日の敵機はどうなったんだろう?
      同じ艦爆同士、敵味方とはいえ不意打ちのように襲いかかり阿部隊長の反撃で
      白煙を吹き出させたのまでは確認したが墜落したかどうかまではわからない。
      アメ公の野郎!
      もしかして無事母艦に辿り着き撃墜報告で盛り上がっているのでは?と考えていたら
      無性に腹が立ってきた。
      腹が立つと同時に腹がペコペコだ。
      昨日の出撃前、朝おにぎりを食べただけで何も口にしてない。
      あ〜、腹減った・・・と思いながら海岸線を歩いていたら

      パンパン・・・・

      中島の足元数メートル先に銃弾が炸裂した。
      中島はすかさず砂場に寝そべった。
      此処は?!
      林の方を見ると数人の人影が・・・
      よ〜く見ると日の丸の旗が!
      日本軍だ。

      中島は大きな声で
      「お〜い!日本海軍パイロットだ!!!
      撃つな〜〜」
      と叫んだ。
      まだ敵と勘違いされて撃たれても困る。
      念のため、両手を挙げ立ち上がり
      「日本海軍○○航空隊中島少尉だ!」
      と大きく叫んだ。

      ようやく数人の兵隊が小銃を持って出てきた。
      その風貌に中島は驚いた。
      出てきた兵隊3人とも痩せこけ目だけがギラギラ光っていた。

      その中の小隊長らしき人が
      「大変失礼致しました。
      私はパガン島先遣隊海軍上等兵○○でございます。
      昨日、敵艦爆が不時着、敵兵が捕虜として捕らえられたので今日は再び
      敵来襲か?と思い・・・」

      話を最後まで聞く前に

      何!敵艦爆不時着?
      パイロットは何処にいる!

      続く

                     まさやん

      posted by: まさやん&花 | 小説 昨日の敵は今日の友 | 15:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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