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    小説 昨日の敵は今日の友(1)
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       キ〜〜〜ン!

      敵グラマン頭上!
      後席の中島米吉少尉が叫んだ。

      グラマンは雲に隠れ一気に阿部善郎大尉率いる艦爆隊の真上に逆さ落としに
      襲いかかった。
      一瞬の出来事だった。
      一体何機いるのだろうか。
      雲霞のごとく襲いかかってきた。
      僅か数秒の出来事なのに何十分のようにすら感じる。
      僅か数秒の出来事で阿部大尉の可愛い部下、兄弟以上の間柄のような仲間の
      彗星が数機火だるまになって落ちていく。

      くそ〜!
      阿部大尉は歯ぎしりしながら味方の援護零戦は?と四方を見回した。
      ようやく敵機グラマンと格闘戦に入った。
      しかし零戦の数より敵機グラマンの数のほうが圧倒的に多い。
      阿部は思った。
      敵グラマンがこんなにいるという事は敵機動部隊も近い!

      中島少尉!
      敵は近いぞ!!
      踏ん張れ〜

      ハッ!

      そう言いながら後席の7.7ミリ機銃を敵機に向かい発射し出した。
      タタタタ・・・・
      グラマンにとって豆鉄砲のような機銃だ。
      威嚇にもなりやしないがないよりましだ。
      四方八方グラマンばかりだ。
      まるで前後左右襲いかかってくる。
      その間にも火を噴いて味方艦爆が落ちていく。

      畜生〜!
      零戦は何処にいった〜

      叫びながら中島少尉は機銃を乱射していた。

      中島!
      味方機は何機いる?

      10機程度です!

      時は昭和19年6月19日
      太平洋戦争の末期、アメリカ軍はどんどん日本軍の島々を攻略しその都度
      日本軍守備隊は玉砕・全滅。
      アメリカ軍はマリアナ諸島に狙いを定めた。
      アメリカにとってマリアナ諸島を攻略すれば日本の喉元に刃を当てたようなもの。
      マリアナ諸島を占領しB29を配備すれば日本にとって致命的な敗北だ。
      そうはさせじと日本も連合艦隊の全主力をマリアナ近海に投入。
      アメリカ軍も同じく機動部隊の全主力を投じてきた。

      阿部大尉は開戦以来のベテランパイロット。
      もとゼロ戦パイロットという異色の指揮官だ。
      もともと太りやすい体型でゼロ戦の操縦席に体がきつくなったため転向した。
      艦爆彗星は2人乗りだ。

      http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%97%E6%98%9F_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F

      相棒の中島少尉は新米少尉。
      今回のマリアナ沖海戦は初陣だ。
      しかし若いにしては冷静沈着。
      阿部大尉が最初から目をつけていた。

      今朝早朝、味方の偵察機が敵機動部隊を数群発見!
      まだ我が機動部隊は敵に発見されてない。
      距離は遠いが先手必勝!
      我が小沢機動部隊の指揮官面々は勝機我に有り!と小躍りした。
      しかし阿部大尉は一抹の不安を持っていた。
      開戦初期の頃のような熟練パイロットなら長距離の飛行そして攻撃・帰還も
      耐えられる。
      激戦に次ぐ激戦でベテランパイロットは櫛の歯が抜けるように消耗。
      残るはヨタヨタ飛行のヒヨコばかりだ。
      出撃前の数ヶ月間、寝る間も惜しんで猛訓練を積んできた。
      だが実戦は甘くない。
      敵艦隊にたどり着く前に敵機に襲われたら・・・
      不安が現実になってしまった。

      中島少尉!
      みんなに固まれ!!と伝えろ〜

      はい!

      7.7ミリ機銃でも味方全機で集中砲火すれば豆鉄砲でも少しは威嚇になる。
      だがすでに遅し・・・
      阿部大尉の不安は的中した。
      猛訓練を積んだとはいえ、新米パイロットばかり。
      出撃時、18機いた艦爆隊も10機に満たない。
      それも固まるどころかてんでばらばらだ。
      敵機グラマンもなめてかかっているのか。
      手を振ってくる始末。

      こなくそ〜

      敵艦隊はもうすぐだ。
      中島!
      耐えろ〜

      わが機体にもグラマンの12.7ミリ機銃弾がブスブス当たる。
      中島も銃身が真っ赤になるほど連射応戦している。
      初陣ながら天晴れだ。

      残る味方機5機!
      中島が悲痛な叫び声を放つ。

      出撃時18機いた可愛い部下達が敵艦隊にたどり着く前に13機が海の藻屑だ。
      戦争とは非情だ。
      みんなまだ20才前後の若者。
      戦争さえなければ青春を堪能している世代だろうに。

      阿部大尉は敵機の機銃弾を右に左に回避しながら必死に操縦桿を握り敵艦隊の
      いるらしき海域に全速力で向かっている。
      しかし前方に見えるのは敵グラマンばかり。
      行かせじ!とばかりに前路を妨害している。
      そしてシャワーのように機銃弾を浴びせてくる。
      すでに機体は穴だらけ。
      よくぞ火も噴かず墜落しないものだ・・・と阿部大尉は感心しきりだ。
      阿部は直感した!
      グラマンがここまで前方を妨害しているということは敵艦隊は近い!

      そう思ったと同時に水平線の遙か先にマストが数本!
      敵艦隊だ!!!

      中島!
      敵機動部隊だ。
      突撃するぞ!

      はい
      残り味方機は3機です。

      グッ!

      息が詰まる思いだった。
      すでに味方彗星が15機30名の命が奪われた。
      この恨みは敵空母の甲板に思いっきり500キロ爆弾をぶち込んでやる!
      羽根をバンクしながら全速力で向かった。

      近づくにつれ敵艦隊の全容が見えてきた。
      まるで海を埋め尽くすかのような敵艦の数。
      空母4隻を中心に戦艦・防空巡洋艦・駆逐艦が鉄壁のような構えで待ち構えている。
      阿部大尉率いる残り僅か3機。
      グラマンの機銃弾で穴だらけの瀕死の状態。
      敵艦の対空放火に耐えられるか?

      中島!
      ト連装せよ。

      はい

      トトト・・・

      味方機動部隊に突撃する!という連絡だ。

      3000メートルの高度から70度の角度で急降下した。
      それと同時にもの凄い対空砲火!
      雨・霰・雷が真下から逆流しているような感じだ。

      中島は恐怖でうわぁ〜と叫び声を上げた。

      びびるな〜

      目の前は対空砲火の噴煙で真っ黒。
      目指す敵空母が噴煙で見え隠れしている。
      敵はそうはさせじと船全体が燃えているような火力で反撃している。

      阿部は恐怖は不思議と感じなかった。
      今朝はグラマンといい、対空砲火といい手荒い歓迎だぜ・・・
      そう思いながら地獄の底に突撃するかのように急降下していった。

      続く

                        まさやん

      posted by: まさやん&花 | 小説 昨日の敵は今日の友 | 16:31 | comments(2) | trackbacks(0) | - |
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        戦争は怖い!
        目を負ういたくなるような光景ですね〜

        それにしても、戦争の経験のないまさやんさんがこんなに生々しく書けるのがとっても不思議です。

        同じ競合の戦争は、同士を仲良くもすると思うが、
        二度としないで欲しい・・・
        | ゆめこ | 2012/12/21 12:25 PM |
        ゆめこさんへ

        少なくとも太平洋戦争の末期(昭和19年以降)の日本軍の航空戦の大半はこんな状況だったと思います。
        小説の舞台のマリアナ沖海戦も日本軍の航空戦力は400機あったのに海戦終了後、残ったのは僅か40機程度。
        360機は敵に堕とされ海の藻屑になりました。

        もちろん私は戦後生まれ(笑)
        あくまで想像で書きましたが戦争を体験された人が読んだら「何だ!この文章は」って怒られそう
        | まさやん | 2012/12/24 5:40 AM |









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